C200 初めての箱根へ

2017年4月29日からつき合いの始まった Mercedes Benz C200。オドメーターも 2,000km を超えて山道へステアリングを向けてみることにした。

MAZDA ターンパイク箱根 御所の入にて
マニュアルに書いてあった表現を正確には覚えていないのだけど、 1,500km までは慣らし運転が必要と書いてあった。マニュアルに記載がなくたってこれまでも少なくとも 2,000km まではやってきてる。1,000km, 1,500km, 2,000km とステップしながら少しずつ負荷をかけていってます。

箱根の話をする前に、ここまでで感じたことをまず書いておこう。
高品質感 & なめらか  この言葉に集約できるかな。

高品質感は室内のことで、ここまでさんざん書いてきた通り。プラスチック品質部分がまったくないインテリアは本当に満足です。

リアシートから撮影 普段は見ないアングル
クランベリーレッドの本革シートとブラックアッシュウッドの木目パネルに目を奪われてしまいそう。木目調ではなくって本物の木目。1枚の板を使って加工する凝り方で、木目がすべてぴったり一致しているのです。運転しているときには見えないのだけどアバンギャルド仕様のステンレスペダルもいい感じ。

ドアトリム
ドライバー側のドアトリム。クランベリーレッドとブラックアッシュウッドはここにも使われていてこれもまたいい。金属のスイッチ類の質感といい隙間なくセットされていることにも感心しちゃいます。

なめらかを感じるのはエンジンの電子制御とトランスミッションにエアサスペンション。
スルッと何のショックもなく静止状態から動き出す。メルセデスで時々聞く2速発進なのかと観察すると、なぜだか時々2速発進している。これってどう切替しているのだろうとまだ疑問のまま。話を元に戻してと。2速発進しなくたって電子的なスロットルコントロールとほとんど変速ショックのないトルコンで実現しているのだろうな。もしかしたらここまでは意識的に低負荷でそっと発進していることもあるのかもしれないけど。
トルコンはもっと滑るって感覚をもっていたのだけど、この 9G-TRONIC はそんなことはなかった。もちろん動き出すとトルコンであることはすぐに感じるのだけど、極めて滑らかな変速で加速していく。多段化のメリットもあるのだろうね。街中で時々ドンッとなって後ろから蹴飛ばされたようになるのだけど許容範囲かな。その9速。普段はせいぜい6速までしかシフトアップしないことに驚いた。高速道路で 100km/h に到達してもまだ8速までしか到達しなくって、日本じゃ無駄じゃんって思ったけれどしばらくすると9速に。海外のもっと高速域で走ることも想定しているからなのかな。


エアサスペンションがこれまたなかなかいいのです。段差とかでショックが来るぞって待ち構えていると簡単にいなしてしまうのです。どちらかというと柔らかめの設定になっているなって感じるのだけど、決してフワフワではなくって、むしろどっしりしているような不思議な感覚。プロの方なら説明ができるのだろうけど、素人の自分にはすごく不思議って思うのみ。大きなうねりのある道を走っているときなんかには硬さが可変だなって感じることはあるのだけど。

いいところばかり書いてきたけれど、気になるところももちろん。
まずは左のAピラーあたりから時々ビビリ音が聞こえることがある。ほんのわずかなんだけど。いろいろ試してみたけど再現性がなく原因不明。静粛性が驚くほど高いからなのかもしれない。最初のころにはロードノイズがよく聞こえるなって思ったのだけど他の音が遮断されているから相対的に聞こえてしまうのだってことに気づいたこともあった。このビビリ音については6か月点検時に相談してみようと思っているところ。


さてさて。こんなにいろいろ書いてようやく本題。箱根への道。

まずはアジリティコントロール(走行モード)から。

アジリティコントロールは エンジン、エアサスペンション、ステアリング、アイドリングストップ、エアコンの5つが可変になる設定。Eco, Comfort, Sport, Sport+の4つのモードに加えて自分の好みの設定も可能になっている。ここまでの慣らしでのベースは Ecoで、時々Comfortでのドライビング。今日は初めてSportにするのを楽しみにしてた。


その Sport にチェンジしてみる。
まず明らかに感じたのはトランスミッション。これまでよりも高回転まで引っ張るようになる。街中で使うとシフトアップするタイミングが感覚よりも遅くって、慌ててスロットルを戻してしまうほど。アクセルを踏んだ時のスロットルの開け方にも違いが明確。少し踏んだだけで立ち上がる。
ステアリングにはそれほどの違いは感じられず、そもそもComfortの時だって可変だったじゃんって。自分の感覚が鈍いのだろうけれど大きな違いはまだ感じられず。

芦ノ湖スカイライン 三国峠
雲の中から富士山が少しだけ顔を出している
段差の多い西湘バイパスを走ってみても足回りの違いはそんなに感じない。エアサスペンションは Comfort であってもうまくいなしてくれている。柔らかいのにフワフワしてない感覚ね。

箱根のワイディングにいよいよ踏み込んでみる。

まずはエンジンから。
低回転から力強いトルクで走るエンジンの特性そのままに、レブカウンターが 4,500回転あたりを超えると、頭の中で描いている加速の伸びが得られなくなる。かえってシフトアップしてしまった方がドライバーの感覚と一致するように思えた。Sport+の走行モードであっても高い回転数に届く前にシフトアップするのも理解ができる。マニュアルモードでもそれを意識しながらシフトアップしていけば、また別の楽しみ方もあるんだ。
高い回転数での気持ちの良いパワーの伸びがあったらなって思うものの、今の自分の場合はそんなシチュエーションはほとんどないからね。
サウンドは想定外。Sportにして力強く回り出すとけっこう勇ましいサウンドが聞こえてくるのです。普段は静粛性の高い室内でエンジンの音を意識することは少ない。アイドリングの状態で室外へ出てみると、このリーンバーンエンジンはディーゼルエンジンに近いような音が聴こえるのです。そんなエンジンだったから、回したってこのまんまだろうと想像していたのが外れたね。これいいことです。

比較的ロールが大きいのは試乗の段階から感じていたこと。交差点の右左折時にも感じていたからね。その走り味がそのまんま来ているのです。ただし、ロールが大きめと言っても十分にコントロールの範囲内。それによって悪影響が出ているとかってことはなくって、狙ったラインをトレースできることは言うまでもないこと。
アンダーステアが大きめなのはやっぱりそうかってところ。ただしコーナーの出口での安定性が想定以上で、特にSport+にした時にその傾向を感じたんだな。なので自分レベルの腕だとスローイン・ファストアウトの原則を徹底的に守って、クリッピングポイントをコーナーの奥の方へ持ってく走りがスムーズに思えた。実際にタイムがいいかどうかはわからないのだけど、こうやってクルマのいいところを引き出して走るのも楽しいもんです。もちろんタイムを計測するなんてことないからこれでいいんだよね。
そしてうねりのあるコーナーなんかではエアサスペンションの腕の見せ所。見事にいなしてくれちゃってくれているのはお見事です。最もホットに走ったのは芦ノ湖スカイライン。見通しのいい高速コーナーが比較的多くてうねりもそれなりにあるルート。ボディーの上下動をしっかり制御してくれるのは安心感があってコントローラブルだった。

ここまで書いてわかってもらえると思うのだけど、いろんなことはクルマの方でやるから安心して乗って、飛ばしてくださいって言われているよう。それを電子制御満載で実現している。だから実際のボディサイズよりも大きく感じるの。安心感はあるけれど振り回そうとするとけっこう苦労するの。
過去に所有していた BMWやアルファロメオとはけっこう違うのです。こちらは路面の状況とかタイヤのグリップ、エンジンのパワーなどなどを感じながらのドライビングで、操作することがまた忠実に行ってくれる。
よく言われることだけれど改めて感じたのでした。
自分は断然後者の方が好きだったのだけれど、今回は前者へ行ってみようかなと思ったからね。そういう意味で今回の箱根は思った通りの結果。それでも走りの楽しさが失われているかって言えばそんなことはなくって、これにはこれの楽しみ方がある。そうは言ってもさ、やっぱりこのクルマはワインディングが似合うクルマではないんだけど。

これからのこいつと走る道がもっと楽しみになったね。


今日のルート
西湘バイパス
MAZDA ターンパイク箱根
芦ノ湖スカイライン
乙女峠

乙女峠で富士山をバックに